病後児保育 のんたんルーム

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ままちっち57号の病児・病後児保育特集で、
望之門保育園さんの病後児保育 のんたんルームを取材しました。
とても素敵なお言葉をたくさんいただいたのですが、紙面の都合上のせられたのはほんの一部。
ぜひ多くの方にお伝えしたい内容だったので、こちらにインタビューの全文を掲載させていただきます。
少し長いですがご容赦ください。

Q.病児保育と病後児保育のちがいは?

急性期と回復期で別れています。病児保育は急性期でも預かれる、ということ。
ただ病院でも「ここから回復期」と線引きをするのは、病気によっても色々なケースがあるので、判断が難しいところ。
ですが病後児保育の施設ではお医者さんが常時いるわけではないので、容体急変時のことを考えると、リスクが高い。
脱水状態の子やぜんそくの症状がきつい場合などは、何かあった時すぐお医者さんが対応する必要があるので、急性期のお子さんは医療機関型の病児保育で預かるということになりますね。

 Q.利用には医師連絡票が必要なんですよね。

医療機関型の施設ではお医者さんから直接スタッフに指示が行くと思いますが、私たちはそういうわけにはいきません。
そこで医師連絡票に病名などを書いていただくことで、「この子は今どういう状態なのか」という情報をいただきます。
言うなれば、お医者さんから別のお医者さんに紹介状を書くのと同じようなものです。
最近は利用者が増えてきたので、お医者さんの方で病後児保育を受けてもよさそうか判断してくれる場合もあります。
ただしそれだけではなく、お母さんからの聞き取りなどしっかり状況を理解したうえで、お預かりできるか判断しています。

 Q.事前登録するにあたって必要なものは?

予防接種歴、成育歴、病歴、アレルギーなどをお聞きして登録の場で解決できるようにしています。
やはり利用当日は出社の時間もありバタバタします。
ゆっくりお話しする時間が取れないので、登録の時に大事なことはお伝えしておき、
予約の際に病状の聞き取りをしっかりすることで、当日は予約後から朝までのお子さんの様子を聞くだけで済むようにしています。

 Q.利用の際予約は必要ですか?

基本は前日予約。もしキャンセルなどであいていれば、当日の朝電話していただいてお預かりできることもあります。

Q.当日キャンセルということもあるのですか。

けっこうあります。とりあえず保険として予約を入れていたけれど、当日症状がよくなって預ける必要がなくなったり、逆に熱が上がってしまって預けられなくなる場合もあります。
「とりあえず明日預けるところを確保しておきたい」というのはやはり親御さんの心理ですね。

 Q.利用できる年齢は?

生後6カ月~小学6年生です。
年齢が違うと生活リズムも違うので、そこは配慮していかなければならないところ。
普段小学生の利用はほとんどないですが、インフルエンザの流行時など、登校停止の期間に預けに来ることはあります。
高学年になると家で留守番できる子も増えるので、利用は少なくなりますね。

Q.当日連れてきたが預かってもらえないということはある?

せっかく来られているので、そういうことはほとんどないです。
一旦お子さんの姿を見て、大丈夫そうならお預かりします。
ただ、高めの熱だったりした場合は、途中で何があるか分からないので、お母さんに心の準備だけしていただいています。
お母さんもいったん仕事に行かれた方が早退しやすいということもありますし、
すでに職場に遅れていくと連絡をしているのに、また欠勤の連絡をするということになると…。
職場の状況も考慮してあげないといけないと思いますので。
一概に熱の高さだけでは判断せず、全身状態で判断しています。

 Q.子どもたちはどのように過ごすのでしょうか?

子どもの生活のメインは遊び。ほとんど遊んで過ごします。
ぐったり寝ているという子は少ないですね。
熱がありゆっくりさせたいときには、座ってできる遊びに誘うなど工夫しています。
小学生までが対象なので幅広いおもちゃを用意しています。
製作を取り入れるなど、静かに楽しめる遊びがメインです。

中にはもう明日から保育園に行けそうというくらい回復している子もいますので、そういう場合は気候も良ければ夕方近所までお散歩をすることもあります。
線路が近いので路面電車を見にいったり、テラスでシャボン玉をしたり、という感じですね。

 Q.利用されるお母さんたちの心境は?

本当に色々です。中には「なるべく休んであげたいのでほとんど使うことはないが、どうしてもという時の為に登録」という方もいらっしゃいます。
登録はお金がかからないので、いざという時の為には登録しておくことをお勧めしたいですね。
一日だけで済めばいいですが、そうもいかないこともあるので。
使い慣れてくれば「今日までは自分が看て、明日からは預ける」など自分の中でバランスを取っていけるのでは。

Q.利用は在園児が多い?

最近は在園児以外の方が増えてきています。
保育園への入所が決まる2月から4月終わりごろにかけて、毎日のように登録の問い合わせがあります。
仕事に復帰するとなかなか毎年更新には来られないので、のんたんルームでは2年目以降は自動更新。
少し期間が空いた時には変更点をお聞きしたり、何年かおきには、利用されたタイミングで無理の無い時間で情報を書き直してもらったりもしています。

やはりはじめての状況・はじめての場所ということで泣いてしまう子も多いです。
お母さん方は泣いている姿を見ながら仕事に行くので不安もあると思います。
でも意外とお母さんの姿が見えなくなったら遊びだすんですよ。
2歳ごろまでのお子さんは、普段の遊びや生活リズムを知るため保育園の連絡帳など持ってきていただいています。

 Q.働いていないお母さんの利用はできるのでしょうか?

例えば急病や介護をしなければならない時、冠婚葬祭のときなどに使えるのでは。
実際利用されている方はほとんどいないのですが、急きょ、という方もいらっしゃいます。

 Q.常に定員がいっぱいなのではと思っていましたが…

基本は定員4名ですが、0歳児の4名と5歳児の4名では対応が違ってくるので、臨機応変に対応しています。
病気のラッシュの時には断らざるを得ないこともありますし、誰も利用者がいない日もあります。
その日利用している子が「この様子だと明日も利用になりそうだな」という中で、他の予約の電話があることもあるので、兼ね合いがなかなか難しいです。
ただインフルエンザなど長期になってくると、ずっと子どもたちも室内で過ごさなければならずストレスがなくはないので、そのあたりも考慮しなければならない。
「少し息抜きも兼ねて、待ってらっしゃる方もいるのでこの日は譲ってもらって」など相談することもあります。

病気には流行があるので、波があります。インフルエンザの流行時や梅雨、秋口などは利用者が多いですね。

Q.インフルエンザにも型がありますよね。

実際、A型とB型のインフルエンザは、どちらかにかかっている時にお互いにうつしあうことはあまりないと言われています。
ただ心理的にお母さんは不安に思われますので、安心して利用していただくためにインフルエンザの型ごとに部屋を分けたりしています。

 Q.保護者の方は病気のとき一番不安になりますよね。

はじめて子育てをするママ・パパが仕事を続けられるか一番不安になるのは、子どもが病気になったとき。
「仕事やめようかな」「働き方のスタイルを変えた方がいいのでは」
そういう不安ってなかなか1人では解決できないんですが、今は頼れる家族が近くにいる方も少ないですし、それが一番大変だと思うんです。
病気の子供を預かるだけというよりは、そういう子育て支援というところの意味合いが、この事業は大きいのでは。
お子さんを看ることで、お母さんの心の支援にもなればいいなと思っています。
昔は「病気の子くらいお母さんが仕事を休んでみたらいいじゃないか」という考えが多かったですが、今はそういう時代ではないですし、色々なシステムができてきています。
子育ては社会全体で見守っていかないといけないと思います。
不安もあると思いますが、自分の時間を大事にし、安心して働ける環境を作る一つの役割として考えてもらえたらうれしいです。

集団生活を始めて1年くらいは病気をしたり熱を出したりするもの。
そうすることで免疫がついて、年齢を重ねるごとに休むことも少なくなってきます。
病気は悪いことではありません。思いつめずに色んな制度を利用してくださいね。